瀬川くんのジャージ
誤魔化すように、ペチッと頬を両手で挟む。
ジャージ、洗って返すねと、畳んで鞄にしまう。
「もう大丈夫だから、ゲーセン行こ!」
わざと明るめに、笑顔でそう言うと。
飲み終わった容器をゴミ箱に入れ、涼くんの手を引っ張る。
「え、心春…!?」
突然引っ張られたことに驚きつつ、半歩後ろをついてきてくれる。
ちょっとだけ、手を繋ぐくらいいいよね。
私の手をまるっと包めるくらい大きな、その手をぎゅっとすると。
すぐにぎゅっと、握り返してくれた。