瀬川くんのジャージ
…まだ、好きだって言ってないのに。
この、むず痒くなる空気は、なに!
涼くんだって、決して私を。
好きだなんて言ってない。
けど、甘い、空気を感じる。
「じゃあ、あれね」と涼くんは私が指を刺したUFOキャッチャーに向かって歩き出す。
さっきと逆で、涼くんに引っ張られるかたちで進む。
着いた先は、私の好きな【ぶたまる】の。
大きめなキーホルダーのUFOキャッチャーだった。
「これ、好き?」
と聞く涼くんに、うんうんと大きく頷く。