瀬川くんのジャージ
驚き、目をパッとあけると。
…【ぶたまる】が唇にあてられていた。
「~っばか!」
私の言葉に、ははっと涼くんが声に出して笑う。
そしてキーホルダーを私の手に握らせた。
もう、やだ。
からかわれてるのに、嬉しいとか。
矛盾してるよ、本当に。
「…仕返し!」
と今度は涼くんの唇に【ぶたまる】を押し付けると。
目を丸くして、ペチッと頭を軽く叩かれた。
「そういうこと、他のヤツにすんな」
ちょっと怒ったのか、顔を真っ赤にして言う。
そして、ふたりで立ち上がったところで、ちょうどすみれちゃんと爽くんがゲーセンコーナーにやってきた。