瀬川くんのジャージ


さらっと髪に手を通される。


「…今日は髪、ふわふわなんだ」

その声がすごく優しくて。


胸が締め付けられる。

涼くんの好きな子、髪ふわふわなんだもんね。


「ふわふわじゃなくて、くるくるじゃない?」

と自分の髪を見ながら触ると。

抱きしめられていた腕が緩められる。


そして。

「…俺のこと見て?」


と両頬を手で挟まれた。

恥ずかしくても俯けない。

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