瀬川くんのジャージ
「でも、あるときからどんどん表情暗くなって。
友達も一緒じゃなくなって。
何回も話しかけようと思ったけど、勇気がでなかった。
…だから、高校で同じクラスになったとき、本当に嬉しかったよ」
照れたように笑う、涼くん。
今度こそ本当に……諦めなくていいんだね。
「ゆっくり、好きになってもらおうと思ったけど。
その必要ない、よね?
だって、心春も。
…俺のこと、好きでしょ」
嫌だったらよけて、と。
近づいてくるその顔を。
よけることなく、受け止めた。