瀬川くんのジャージ


「でも、あるときからどんどん表情暗くなって。
友達も一緒じゃなくなって。

何回も話しかけようと思ったけど、勇気がでなかった。


…だから、高校で同じクラスになったとき、本当に嬉しかったよ」


照れたように笑う、涼くん。

今度こそ本当に……諦めなくていいんだね。



「ゆっくり、好きになってもらおうと思ったけど。
その必要ない、よね?


だって、心春も。



…俺のこと、好きでしょ」



嫌だったらよけて、と。

近づいてくるその顔を。


よけることなく、受け止めた。


< 61 / 70 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop