言葉織―託された想い―
◆
華奢なのは相変わらずだったが、ずいぶん背が伸びて顔つきも大人びて――あの頃のハルはもういないのかと勝手に落ち込む。
「ただいま詩乃」
「ハルのばか!! どうしてお母さんのお葬式来なかったの、あんなによくしてくれたの忘れたのっ……」
黙っていられなかった。
髪はぼさぼさ、涙で顔はぐちゃぐちゃ。
まだ一人前じゃないにしろ、言葉織を継いだ身なのに、酷い言葉をハルに浴びせる始末。きっと母は嘆いているに違いない。
私は、サイテーだ。
悔しくて。
悔しくて。
唇を強く噛み、血がうっすらと滲む。
ハルの表情は静かなものだった。そこから何かを読み取ることができるほど、私は言葉織としては酷く頼りない。蝋燭の灯火のようなものだろうか。
「ただいま詩乃」
「ハルのばか!! どうしてお母さんのお葬式来なかったの、あんなによくしてくれたの忘れたのっ……」
黙っていられなかった。
髪はぼさぼさ、涙で顔はぐちゃぐちゃ。
まだ一人前じゃないにしろ、言葉織を継いだ身なのに、酷い言葉をハルに浴びせる始末。きっと母は嘆いているに違いない。
私は、サイテーだ。
悔しくて。
悔しくて。
唇を強く噛み、血がうっすらと滲む。
ハルの表情は静かなものだった。そこから何かを読み取ることができるほど、私は言葉織としては酷く頼りない。蝋燭の灯火のようなものだろうか。