言葉織―託された想い―
◆
「……人の想いなんてわからない、わかるはずないよ」
心の奥底から絞りだすような声に、ハルは。
「それでもお前は、言葉織だよ。詩織さんが亡くなっても想いが終わるわけじゃない。
寄り添いながら理解していけばいいじゃないか。だから、わからないなんて匙を投げるな。詩織さんの想いから、俺の想いから……逃げないでくれ」
雪の舞う静かな夜だった。
庭先にハルは立っていた。
一体どこから飛んできたのだろう、こんな寒い季節に薄着のままで。
一方自分はと言えば……先程まで暖のある和室にいた。ハルが来た知らせを受け、渡り廊下に出てみれば――走ってきたのか、息を切らせていた。
ハルは泣かない。
ハルは、泣けないんだ。
私がいつも泣くから。
心の奥底から絞りだすような声に、ハルは。
「それでもお前は、言葉織だよ。詩織さんが亡くなっても想いが終わるわけじゃない。
寄り添いながら理解していけばいいじゃないか。だから、わからないなんて匙を投げるな。詩織さんの想いから、俺の想いから……逃げないでくれ」
雪の舞う静かな夜だった。
庭先にハルは立っていた。
一体どこから飛んできたのだろう、こんな寒い季節に薄着のままで。
一方自分はと言えば……先程まで暖のある和室にいた。ハルが来た知らせを受け、渡り廊下に出てみれば――走ってきたのか、息を切らせていた。
ハルは泣かない。
ハルは、泣けないんだ。
私がいつも泣くから。