推しと乙女ゲーム展開になっていいはずがない


が、どうやらそれは妄想だけの世界だったようで、実際に推しが目の前に現れると、オタクは動けなくなるらしい。


そりゃそうだ。

会いたくて会いに行っている握手会でさえも、自分から話せず、無言の時間を生み、推しを困らせ、推しがしてくれるありきたりな質問に答えるだけの、この世で一番もったいない数十秒を過ごしているオタクなのだから。


自分から推しに声を掛けるなんてできるはずがないのだ。


< 7 / 22 >

この作品をシェア

pagetop