幼 馴 染 、
双子






「僕らは、ずっと一緒がいいね」







ある日、映画を見ていたら
ポツリと呟いた。




ギュ、と握っている手に力をこめて
映画を見ていたはずの視線は此方を見ていた。







「ん、そうだねー?どうしたの?」

「だって、僕、こんな風にバラバラになりたくない」








その映画は、双子は不吉とされていた古い家で
1人は、分家で、もう1人は本家で。
双子だと言うことは知らされないで




一生生きて、やっと逢えたかと思えば
1人は不治の病でなくなる。
簡単に言えばそんなお話。






実際あったお話をリメイクして放送したらしい。




「うん、凛も、嫌だなあ」
「僕、凛とは絶対離れないからね?」
「えー、黎は寂しがりやさんだねえ」
「――そういうのじゃないよー」



じゃあ、どういうの?と尋ねようとしたら
ギュウ、と抱きしめられた。
ギュウ、と抱きしめ返して左右に軽く揺れる。




「 黎と凛は、ずーッと一緒だもんね 」




そういって無邪気に凛は微笑んだ。
黎も無邪気に微笑んだ。





幼かった二人には、この関係が一生のものだと思っていた。





手を繋ぎ、色々な所に行ったり。
手を繋ぎ、いろいろな話をしたり。





お互いさえいれば、幸せだと思った。











一緒にいて当たり前な大切な片割れ。



好きな人なんか、作らない。
僕は凛さえいればいいんだ。








君だけは、どうか永久に僕のそばで――














< 1 / 3 >

この作品をシェア

pagetop