狙われてますっ!
「お疲れ様ー」
汐音がお手洗いに行って戻ろうとしたとき、向こうから、もふもふさんがやってきた。
無事、輝美たちに許されて参加していたのだ。
「いやあ、狭間さん。
お口添えありがとうね」
と感謝されたが。
いえいえ。
単にイケメン様の威力ですよ、と汐音は思っていた。
確かに、汐音も輝美たちを取りなしはしたが。
やはり、コンパに来たい、というイケメン様を本気で断る人は居なかった、というだけの話だ。
「いや~、ほんとに困ってるんだよ、おかしな噂を立てられてさ。
僕、もともとそんなに積極的に女の子に行く方じゃないのにさ。
前の彼女だってさ。
向こうからグイグイ来たんだよ。
そして、グイグイ去っていった」
グイグイ去っていくって、どんな感じなんですかね……。