狙われてますっ!
 初めて、じゃがいもを()いたとき、身が十分の一くらいになってても。

「危ない芽のところが全部取れたな。
 偉いな~、汐音」
と褒めてくれたりしていた。

 それでいて、
「この絵、もうちょっと小さく描いてたら、賞がとれたかもな~」
とか。

「もうちょっと皮薄く剥いてたら、じゃがいも剥く数、少なくてよかったかもな~」
とさりげなくアドバイスまでしてくれるのだ。

 昔から、汐音にとって繁は、よくできた兄のような存在だった。

 そんな繁が言ってくる。

「しかし、弁当もいいが、張り切る方向、間違ってないか?
 大丈夫か? 仕事の方は」

 その心配、当たってます、と思いながら、汐音は、……ははは、と笑う。

「そうだ、おにいちゃん。
 今日、スナイパーみたいな人が居てさ」

「……スナイパー?」
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