狙われてますっ!
結局、家まで送られてしまった……。
コンビニで降りたかったのに、と汐音はさっきの有川のセリフに固まったまま思う。
まあ、どのみち有川には、なにもかも知られている気がしていたが。
降りるとき、また有川がドアを開けてくれた。
求に聞こえないよう、囁いてくる。
「あなたがなにをなさっててもいいんですが。
求様にだけは、嘘をついたりとか、騙したりとか、そういうことのないようにお願いします」
「……わかってます」
と汐音が頷いたとき、求も降りてきた。
有川は微笑み、運転席に戻る。
「送ろう」
と求は言ってくれるが。
……いや、アパート目の前なんですけど。
でも、嬉しかったので、すぐそこまでだが、送られることにした。