狙われてますっ!
「いえいえ。
 うるさいのは私です。

 あっ、できるだけ、うるさくないようにはしてるんですけど。
 もしかしたら、うるさいかなって思って」

「なにをうるさくするんだ?」

 追及厳しいですね~と苦笑いしながら汐音は言う。

「え、えーと……

 歌歌ったりとかですかね」

 いや、一階の方が上に響くだろうという顔をされてしまったので、汐音は話を打ち切るように、
「今日はどうもありがとうございましたっ」
と言って頭を下げた。

「全然、おごれてない感じなので、またおごらせてくださいっ」
と言うと、求は、いや、と言いかけてやめ、

「……うん。
 そうだな、ありがとう」
と嬉しそうに笑う。
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