狙われてますっ!
 なんなんですか。
 照れるではないですか。

 でも、どのみち、おごらせてくれそうにはないですね、また、
と汐音が赤くなりながら、チラと上目遣いに見上げたとき、ガーッと車の向きを変える音がした。

 有川が勝手に帰ろうとしている。

「ま、待てっ、俺も帰るぞっ」
と求が慌てて止めていた。




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