狙われてますっ!
「そのまま、部屋に上げてもらえばよかったじゃないですか」
置いていかれないように、汐音の部屋に灯りが着くのを待って、急いで求が車に乗り込むと、有川はそう言ってきた。
「莫迦か、まだそんなんじゃない」
と求は赤くなって言うと、
「まだそんなんじゃないということは、いずれそうなるおつもりなわけですよね?」
と有川は突っ込んで訊いてくる。
「……いちいち言葉尻を捕らえるな。
何処行ってた。
用事ってなんだ」
「いえいえ。
求様、狭間様に、なかなか本気そうでしたので、ちょっと会長にご報告を」
「報告して、汐音のこと調べてきたんだろ」
はい、とあっさり有川は認めた。
「知り得た内容、求様にもご報告しましょうか?」