狙われてますっ!
 いや、よく考えたら、恋愛アプリって、いろんな男と恋に落ちるルートがあるからだよ、と求は思う。

 俺をクリアしたら、他の男に行くわけだろ?

 行かせるか、と求は思っていた。

 他の男にもモデルが居て。

 その男と汐音がバッタリ何処かで出会ったりするかもしれないじゃないか。

 アサシンでスパイな汐音がその男を誘惑したらどうする?
と思ってしまう。

「……いや、万が一、私がアサシンでスパイな人だったとしても、そんな通りすがりにバッタリ会った人を誘惑しないと思いますね~」
と今此処に居ないので、汐音は言って来なかったが、彼女らに、

「社長~、汐音さんが他の人のルートやるの嫌なんでしょう」
と見抜かれ、笑われた。

 ……女の洞察力、怖すぎる、と求は受話器を手に固まる。



 
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