狙われてますっ!
「そうねえ。
 私もあんたの何処が駄目なのかわかるわよ」
と真琴が輝美を見て、冷ややかに言う。

「えっ? 何処っ?」
と輝美が身を乗り出すと、全員が、

「加工」
と言った。

 写真の加工が激しすぎて、なかなか実体を見せる気にならないようなのだ。

「あの~、でもすみません。
 日坂さんに言われて、私、輝美さんの写真、見せちゃったんですけど」

 あ、みんなのところに出回ってるやつですよ、と汐音は言ったが、輝美は、

「いや、どれよどれよどれよ~っ。
 ()
 まるきりの素っ?」
と胸ぐらつかむ勢いで立ち上がり、言ってくる。

「うさ耳がついてて、周囲がちょっとキラキラしてるやつです」

「そ、そう。
 うさ耳が……」

 ならいいわ、と輝美は安心したように腰を下ろした。

 いいのですか、うさ耳がついていたら。
 顔はまるきりそのまま写ってましたけど。

 まあ、ちょっとでも普段とは違うなにかを付けて安心したいという、恥じらいというか、防御的なものなのだろうな、と思いながら、汐音が、

「すごく綺麗な人だね~って日坂さん言ってましたよ」
と言うと、真琴が、

「よかったじゃない。
 ほら、ちゃんと会って来なさいよ」
と言う。
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