狙われてますっ!
「大丈夫ですよ。
 カッとなっても、阿呆な発言しても、可愛いって思ってくれますよ、日坂さんなら」
と汐音は言ったが、輝美は笑顔のまま、

「あんたに阿呆な発言とか言われたくないわ~。
 阿呆な発言選手権があったら、確実に一位よ~」
と言ってくる。

 いやあの~、私、輝美さんの発言を復唱しただけなんですが……。

 ありがとうと言われたはずなのに、なにも感謝が感じられない……。

 確かに、一拍置いて話した方がいいようだな。
 私も輝美さんも……、と汐音は思う。

「でもお礼に教えてあげるわ。
 その公園のウォーキングコースを走ったときの正解は、あっ! て、転んで見せて、お姫様抱っこよっ!」

 いや、なんかスポ根っぽい雰囲気だったので、
「立ち上がれっ、ゴールはすぐそこだっ!」
とかやられそうな気もしますけどね……と思いながら、汐音は弁当箱を片付けた。




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