狙われてますっ!
「加倉井求とデートしてきたんだろ?
 どうだった?」

「どうもこうも、美味しいもの食べて、恋愛アプリをやって、小高い場所でランニングして帰ってきました」

 恋愛アプリにランニング……? と渡真利は小首を傾げ、
「お前それは、この俺でもわかるぞ、駄目だろう」
と言ってくる。

「では、渡真利さん的にはなにが正解だったと思いますか?」

「それがわかったら、もう結婚している」

 ……そうですか、なるほど。

 イケメンなのに、なかなかその手の話を聞かないのは、その辺が問題なのですかね、と汐音は思った。

 イケメンだが、マメでない男と、特にイケメンではないが、小綺麗にしていてマメで気の利く男なら、確実に後者の方が恋は発展していく気がする。
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