狙われてますっ!
 向かいにある、やはり、燦々と日の降り注いでいるベンチから整った濃い顔の男が窺うようにこちらを見ている。

 遠目に見てもわかる仕立ての良さそうなスーツに、その辺で売ってなさそうなよく磨かれた靴。

 な、何者だっ。

 汐音はおむすびを持つ手を止めたまま、震えながら男を見ていた。

 狙われているっ。

 なにかがっ!



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