狙われてますっ!
「いや、ほんとですよ。
 そうだ。
 今度、一緒に日坂さんと会いませんか?」

「いや。
 なんかまたヘマしそうな気がしてきたから」

 うう。
 輝美さんがマイナス思考にっ。

 こんなときは気分転換した方がいいに違いない、と思って汐音は言った。

「なにかおごりますよ。
 食べに行きませんか? 輝美さん」

 すると、輝美は汐音の頬を軽くつねって言ってくる。

「私におごるとか、なに生意気なこと言ってんのよっ」

 ひ~っ、すみませんっ、と思う汐音に、輝美は叱るように言ってきた。

「ありがとうっ。
 私がおごるわっ。

 私について来なさいっ!」

 はいっ、女王様っ、と言いそうになる。





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