狙われてますっ!
「大丈夫か、汐音っ。
 なにがあったんだっ。

 怪我はないかっ!」

 いや、犯人に訊いてやれ……という顔を渡真利たちはしていた。

 求は転がっているナイフを見ながら、汐音を抱き寄せ、
「怖かったろうっ。
 もっと早く此処に来てみればよかったっ」
と叫ぶ。

 渡真利を見、
「汐音っ、渡真利さんに助けられたのかっ。
 俺が助けたかったっ。

 ああ、もう一度、お前が狙われたら、今度は俺が助けるのにっ!」
と求は何故か、汐音がまた狙われることを願う。

「……いやいや、そいつは自力で助かったんだ」
と渡真利が呟く頃、騒ぎを聞きつけ、父母が戻ってきた。




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