狙われてますっ!
求と少し話したあと、汐音は樹里亜が乗ったのとは違う車に乗って帰ろうとする渡真利のところに行った。
「渡真利さん」
と話しかけると、
「乗れ」
と言われる。
えっ? と汐音は父母と話し始めた求の方を振り返ったが、渡真利は淡々と、
「お前の役目はこれで終了だ。
もう此処に居る必要はない。
今日中に荷物をまとめろ」
と言ってきた。
「え、でも……」
と汐音は戸惑ったが、渡真利は父母に向かい、
「あとでお話伺わせてください」
と言ったあとで、汐音に急いで乗るよう、促した。
自分を見つめる求にペコリと頭を下げ、汐音は覆面パトカーに乗り込む。