狙われてますっ!
 さようなら。
 ありがとうございました、渡真利さん。

 次に会うときはきっと、いつもの繁おにいちゃんの顔で現れるのだろう。

 ……ま、すっごい、たまに職場で会うときもあるけど、と思ったあとで、ふと不安になる。

 一瞬の幻か。

 私と加倉井さんのことも、このまま此処を去ったら、一瞬の幻になってしまうのだろうか……。

 そんなことを思いながら、汐音はベッドの上に置いたスマホを見た。




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