狙われてますっ!
「それにしても、随分いきなりじゃない」
と言う輝美に、汐音は、
「はあ、すみません。
よそから呼ばれたんですよ。
さすらいの派遣社員なので」
とよくわからないことを言ってしまう。
腕組みした輝美は眉をひそめ、
「あんた、よそからわざわざ呼ばれるほど、すごい技術あった?
いや、意外と仕事できたけど。
特にこれと言った特殊技能ってなくない?」
と突っ込んで訊いてくる。
「いやー、実は柔道の道場から呼ばれたんですよね~」
と誤魔化すように汐音は言った。
これは嘘ではない。
通っていた道場から、手伝ってくれないかと言われることはあるからだ。
だがまあ、輝美に関しては、彼女が武志とこのまま付き合い続けるのなら、いずれ、女性警官であることはバレてしまうだろうな、とは思っていた。
でも、とりあえず、今は伏せておこう、と思いながら、
「じゃあ、またあとで」
と汐音はみんなと別れる。
部署に向かって歩き出したが、誰かが後ろをついてきた。
振り返ると、真琴だった。
真琴さんもこっちに戻るのかな、と思った汐音は、
あ、ちょうどいいや、
とスマホを取り出した。
すべて終わったので、真琴が昔好きだったという、松本巡査部長の連絡先を、と思ったのだ。
だが、真琴は、
「来て」
と言い、汐音の腕をつかむと、人気のない階段へと連れていく。
と言う輝美に、汐音は、
「はあ、すみません。
よそから呼ばれたんですよ。
さすらいの派遣社員なので」
とよくわからないことを言ってしまう。
腕組みした輝美は眉をひそめ、
「あんた、よそからわざわざ呼ばれるほど、すごい技術あった?
いや、意外と仕事できたけど。
特にこれと言った特殊技能ってなくない?」
と突っ込んで訊いてくる。
「いやー、実は柔道の道場から呼ばれたんですよね~」
と誤魔化すように汐音は言った。
これは嘘ではない。
通っていた道場から、手伝ってくれないかと言われることはあるからだ。
だがまあ、輝美に関しては、彼女が武志とこのまま付き合い続けるのなら、いずれ、女性警官であることはバレてしまうだろうな、とは思っていた。
でも、とりあえず、今は伏せておこう、と思いながら、
「じゃあ、またあとで」
と汐音はみんなと別れる。
部署に向かって歩き出したが、誰かが後ろをついてきた。
振り返ると、真琴だった。
真琴さんもこっちに戻るのかな、と思った汐音は、
あ、ちょうどいいや、
とスマホを取り出した。
すべて終わったので、真琴が昔好きだったという、松本巡査部長の連絡先を、と思ったのだ。
だが、真琴は、
「来て」
と言い、汐音の腕をつかむと、人気のない階段へと連れていく。