狙われてますっ!
「一晩中考えてたんだ。
 此処を去るお前に言う、なにかいいセリフはないかと――。

 あいつらに頼ろうかとも思ったけど、やっぱり、自分の言葉で言いたいと思った」

 あいつらとは恋愛アプリチームの女子たちのことのようだった。

「俺はゲームの中の俺みたいに、お前がきゅんとくるような気の利いたことは、ひとつも言えないけど」

 いや、もう結構、相当っ、来てるんですけど……っ!

「それでも、俺はお前と一緒に居たい。
 どんなに遠くても、毎日でもお前に会いに行きたい。

 いいか?」

「はっ、はいっ」

「っていうか、今もう来てるんだが、いいか?」

 えっ? と汐音が振り返ると、公園の外に居たらしい求がスマホを手に走ってくるところだった。
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