狙われてますっ!
「汐音っ」
と駆け寄ってくる求に向かい、汐音は急いでお弁当箱を突き出した。
「じ、実は今日、おむすび二人分作ってきてたんですよ。
また、ベンチに加倉井さん、座ってないかなと思って」
「……いや、だったら、連絡してくればよかっただろ」
そしたら、こんな迷わなくてよかったのに、と赤くなりながら、求が言ってくる。
「いやあ、だって、私も最後に、なんて言ったらいいのかな~とか悩んじゃって、かけられなくて」
と苦笑いして汐音が言うと、求は、
「……ありがとう」
とおむすびの入ったお弁当箱を受け取ったあとで、そっとキスしてきた。
だが、すぐに周囲を窺う。
人目を気にしてのことかと思ったが違った。
「……渡真利さんに何処からか狙撃されそうな気がする」
と言う。
そ、そんな莫迦な……汐音は笑ったが、すぐ側、茂みの向こうから、
「お疲れ」
という声がした。
通りを見ると、まだ文具店の営業風の格好をした渡真利が公園沿いの道を歩いていくところだった。
「お、お疲れ様です~」
とふたり同時に頭を下げる。
と駆け寄ってくる求に向かい、汐音は急いでお弁当箱を突き出した。
「じ、実は今日、おむすび二人分作ってきてたんですよ。
また、ベンチに加倉井さん、座ってないかなと思って」
「……いや、だったら、連絡してくればよかっただろ」
そしたら、こんな迷わなくてよかったのに、と赤くなりながら、求が言ってくる。
「いやあ、だって、私も最後に、なんて言ったらいいのかな~とか悩んじゃって、かけられなくて」
と苦笑いして汐音が言うと、求は、
「……ありがとう」
とおむすびの入ったお弁当箱を受け取ったあとで、そっとキスしてきた。
だが、すぐに周囲を窺う。
人目を気にしてのことかと思ったが違った。
「……渡真利さんに何処からか狙撃されそうな気がする」
と言う。
そ、そんな莫迦な……汐音は笑ったが、すぐ側、茂みの向こうから、
「お疲れ」
という声がした。
通りを見ると、まだ文具店の営業風の格好をした渡真利が公園沿いの道を歩いていくところだった。
「お、お疲れ様です~」
とふたり同時に頭を下げる。