狙われてますっ!
「汐音、できたか?」
としばらくして、みんなが覗いた。
「で、できましたっ」
と汐音が苦笑いして見せた皿の上には人数分の、海苔で巻かれたおむすびがちんまりと載っていた。
「あれだけのカラフルな食材、何処行ったーっ?」
「白と黒になってるぞっ!」
と求と繁が叫ぶ。
「サ、ササミとかの食べられそうなものは、おむすびの具にしました。
あのまま作っても、サラダではない、なにかになりそうだったので……」
「なんだその、此処ではない何処か、みたいなの……」
といつもの不恰好なおむすびを見ながら、求が言う。