狙われてますっ!
 やばいっ、緊張のあまり、大失態をっ、と慌てた汐音は、入れかけていたお湯を全部入れ、ボウルを取り出す。

 求は、え? 今からなにか作るのだろうか? という顔でこちらを見ていた。

 汐音はボウルに具具、と味噌味噌の両方を流し入れると、お玉ですくって、ふたつの椀に入れた。

「はい、できました」
とホッとしながら、味噌汁を差し出すと、カウンターの方が低いので、手許がよく見えていなかったらしい求が、

「今、なにが起こった~っ!?」
と叫んでいた。




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