狙われてますっ!
 そういえば、話してるとき、会社の人たちと会ったっけ、と思い出していた汐音に、輝美が訊いてくる。

「……彼氏なの?」
「違いますよ」

「じゃあ、紹介して」
「いや、見てもないですよね、輝美さん……」

 輝美はひとつ溜息をついて言う。

「よく気がついて、強引にグイグイ来てくれるイケメンがいいなと思ってたんだけど。
 なかなか、そんな人落ちてないし。

 グイグイ来る人は他にもグイグイ行きそうだし。

 おとなしい草食系のイケメンを狙ってみようかと思って」

 イケメンのところは外さないんですね……と苦笑いしながら、汐音は思っていた。
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