狙われてますっ!
土曜日、汐音と約束したが。
急な仕事が入らないといいんだが、と思いながら、求は仕事をしていた。
「おい、昼休みくらいちゃんと休めよ」
と武志に言われ、ああ、と生返事をしながら、求は窓の外を見る。
もう公園をウロウロしなくても、スマホを開けるだけで、汐音と連絡がとれるのか。
求は、らしくもなく、嬉しいような、ソワソワして落ち着かないような不思議な気持ちになる。
ふとデスクの端に置いていたスマホを見ると、汐音からメッセージが入っていた。
しまったっ。
マナーモードにしてたな、と思いながら、慌てて見る。
「この間はありがとうございました。
ところで、すみません。
日坂さんってお付き合いされてる方とかいらっしゃるんですか?」
……何故、武志。
「なんか買ってきてやろうか?」
と気を利かせて言ってくる武志にありがたいと思いながらも、低い声で、
「いや……いい」
と返してしまう。