思いがけないFirst kiss

幼なじみの直也は、よくアポなしで私の部屋にやってくる。


物心ついた頃にはすでに家族ぐるみのお付き合いなお隣さんという
ヤツで、相川家と西川家にはお互いの家の合鍵が完備されていると
いう馴染みっぷり。そのお陰で、14歳という思春期真っ只中だと
いうのに私のプライバシーはこの男に侵害されまくっている。
今日も梅雨時期でただでさえ不快指数は高いというのに、部活のこと
とか友達の南がこけたとか(南の話はちょっと面白い)、直也の
マシンガントークが炸裂している。



「ねえ直也、いくら幼なじみとはいってもさ、こんなに出入りが頻繁
だと彼女がイヤがるよ?」


「ん?今彼女いないから無問題」



じゃあ昨日の放課後誰もいない教室で『ナオ~』なんて甘い声を出して
直也に纏わりついてた子や時々私のところに『相川さんって西川のなん
なの』とかいいにくる子たちは直也にとって何者なのでしょうか。



< 1 / 3 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop