彼は友達
「中島のねーちゃん美人だなー」
「そっくりでしょ、私と」
「え?」
「…何か文句ある?」
「つーか、フツーに『ただいまー』とかいって真ん中突っ切っちまえば
いいじゃん」
「アンタあの雰囲気で行けるの」
「…無理?あ」
話の途中で石川の視線が一定方向で固まった。振り返ると、視線の先に
見えたのは我が姉と彼氏のキスシーン。すげー、生チュー初めて見た、
と興奮気味の石川の口元を慌てて押さえたりしてジタバタしてるうちに、
気付いたら逆に石川が私の手首をつかんでいた。そして、とんでもない
ことを言い放った。