告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜




「あーー……ねぇ、今自分がどんな顔してるか分かってる?」
「えっ……ご、ごめん。顔赤いよねっ」
「そんな可愛い顔、自分のこと好きな男子の前でしない方がいいよ」



 わ、私……そんなに変な顔してた?!あからさまに動揺すると、水瀬くんは少しだけ俯いた。

 水瀬くんは掴んだ手首を解放する代わりに、私の赤くなった頬に指先で触れた。触れられた場所が甘く痺れて、身体が何故か震えた。

 そして、水瀬くんも僅かに頬を赤くし、真剣な表情で口を開く。

 視線が、逸らせない。



「俺のこと、好きなんじゃないかって勘違いするから」



 時が止まったようだった。

 なんで水瀬くんはいつも駅のホームで歯の浮きそうなセリフを言うんだろうとか、汗をかいてるから少し離れてほしいとか、色々思うことはあるはずなのに、私の脳内は自然と一つの答えを導き出そうとしている。

 汗をかくほど一生懸命に私を探してくれて、悲しい出来事から守ってくれる。こんな私を優しく肯定してくれて、私の気持ちが自分に向くのを、待ってくれている。一見クールに見えるのに知れば知るほど可愛くて、隣に居るだけでドキドキするのに、一緒に居たいと思えるし、何故かしっくりくる。




 ────これが恋じゃないというのなら、なんだというんだろう。




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