告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
「凛子?」
再び名前を呼ばれ、胸がきゅうっと締め付けられる。心臓はうるさいくらいにバクバクと暴れまわっているし。顔だっていつもよりもずっと熱い。
やだ、うそ、名前を呼ばれて気付くなんて。
唇が金魚のようにパクパク動くだけで、何をどう説明していいのかも分からない。水瀬くんに恋をしてしまった、そう自覚するだけで今の私には精一杯で、彼の気持ちを受け取れるほどのキャパシティがない。
ホームに電車が滑り込んできた。水瀬くんは一つ息を吐き、口を開く。
「これから名前で呼んで」
「えっ……それはっ」
「俺も呼ぶ」
「……うぅ」
「……早く俺のものにしたい」
「!」
電車のドアが開く。ここからが新しいスタートな気がする。
トラウマと決別し、水瀬くんを好きだと自覚した。この電車に乗ったらスタートだ。
あとは、私が水瀬くんに予約された告白を受け入れる覚悟をするだけ。
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