告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
私の言葉に奏多くんは眉間に皺を寄せる。そよそよと風が吹き抜けて気持ちいい。今日は日差しがキツくないから、日焼けもなくこうやって芝生の上に座っていても快適だ。
「凛子、最近明るくなったよな」
「えっ、そうかな」
「うん。前は視線が下向いてることが多かったけど、最近はそんなことない」
「……自分じゃ気付かなかったなぁ」
「そうしてる方がいい」
確かに、高校に上がり奏多くんと関わったり、陸くんと和解してから、私は前よりも少しだけ自分に自信を持てている気がする。その変化に気付いてもらえて、くすぐったいような嬉しいような。
ふと、ふわっと肩に柔らかい感触が。視線を移すと、奏多くんがあくびをしながら私の肩に頭を乗せていた。
その懐っこさに胸がきゅんと高鳴る。猫みたい、可愛いなぁ……。
「……凛子」
「なに?」
「撫でられたら余計に眠くなる」
「えっ、あっ……!!」
いつの間にか奏多くんの頭を撫でてしまっていた。だって、あまりにも猫みたいで可愛いから。
そのまま奏多くんは、私の肩に頭を乗せたまま黙ってしまう。もしかして本当に寝ちゃったのかな……?
こっそりその顔を覗き込むと、閉じた目を縁取るまつ毛が長くて驚く。スッと鼻筋が通ってて、肌だって女子よりきれいかも。私の頬に触れる髪の毛だってサラサラだし。本当に、こんなにかっこいい人が私を好きだなんて、未だに嘘みたいだ。
本当なら、こんなにかっこいい人の隣には同じくらい可愛い人が────。