告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
「(……愛理先輩)」
愛理先輩みたいに可愛い人が隣にいたら、意識の一つでもしてもおかしくないと思うのに、幼馴染だとそんな感情も抱かないのかな?
本当に、奏多くんは先輩をなんとも思ってないの……?
嫌だ。せっかく二人きりなのに、もやもやしてきた。
「……愛理先輩と奏多くん、か」
「愛理がなに?」
「えっ!!……起きてたの?」
「うん。寝たふりしたらキスでもしてもらえるかと思って期待してた」
「しませんっ」
「ケチ。……で、愛理がなに?」
奏多くんは身体を起こし、私の顔を覗き込む。
まさかこうやって聞かれると思ってなかったから、なんて言ったらいいのか分からない……。けど、ずっともやもやしてるのも嫌だ。
「……奏多くんは、愛理先輩がみたいに可愛い幼馴染がいるのに……好きになったりしなかったの?」
「……ないな」
「本当に?」
「前も言ったけど、愛理は俺にとって姉みたいな存在なんだよ。小さい頃から一緒に居すぎて、そういう感情が芽生えたことがない」
「……そっかぁ」
奏多くんがスパッと言い切り、私はそれ以上何も言えなくなってしまった。
黙る私に、奏多くんは小さく息を吐きながら話を続ける。