告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
「嘘でしょ」
「あはは、すっげーー」
「……本当に?」
私は、奏多くんと目の前に差し出された紙を何度も交互に見て、唖然とする。
夏休み前、帰りのホームルームで、全テストの点数と順位が書かれた紙が配られた。私のクラス順位は3位で、なかなか今回は頑張った。
有菜ちゃんと高田くんが私の席に来てその紙を見せてくれたけど、二人ともギリギリ赤点を免れていて安心したところで、奏多くんが歩いてきて私の目の前に紙を差し出した。
「クラス順位1位、学年9位って……水瀬くん何者?」
「こいつ勉強しないだけで出来る奴なんだよ。入試も学年4位とかで入ってるし」
「………………」
「あれ?凛子……何で固まってるの?」
奏多くんが1位になった。完全に誤算だ。
だって、ここまで頭が良いなんて聞いてないし……知ってたら、ご褒美なんて……ご褒美なんて……!!
恐る恐る奏多くんの顔を見ると、それはもう嬉しそうに、珍しいくらいの笑顔で私を見つめていた。
「俺、1位になった」
「ソウデスネ」
顔が赤くなるだけでは止まらず、汗までかいてきた。
やばい、私からのハグなんて絶対できない。心臓爆発して死んじゃう!!
ちょっと今日はもう無理かも、無理無理。私は鞄を抱きしめ、その場からゆっくりと後ずさった。
そんな私を見た有菜ちゃんが、不思議そうに首を傾げる。