告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
私は男子が苦手だ。完全に小学生時代のトラウマを引きずっている。
東京都内にある高校に入学して一ヶ月、それは改善の余地を見せない。
「片山、おはよう」
「お、おはよう……」
そして、同じ日直の田中くんは距離感が近く、毎朝挨拶をしてくれる。コミュ力が高いのは分かるけど、その度に私はビクビクしてしまう。そして、緊張から顔が赤くなってしまう。
ホームルームが終わり、廊下のロッカー前で有菜ちゃんと話していると、やはり今日もやって来て、挨拶だけして去っていく。正直、本当にやめてほしい。
有菜ちゃんは私の顔を覗き込み、ぶっと吹き出す。
「おーおー、今日も赤いこと」
「もう嫌だよぉ……何で毎日わざわざ来るの?」
「凛子のことが好きなんじゃない?」
「それはないでしょ無理だよ」
「あはは、そんなに?!」
「うん……本当に男子って苦手」
「そっかぁ」