告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
────花火大会当日。午後6時。
花火大会の会場に向かって、駅前の通りにはたくさんの人が歩いている。
一方私は、陸くんとの待ち合わせ場所のコンビニ前でそわそわしていた。
さすがに浴衣は着なかったけど、お気に入りのワンピースを着て、夏らしい格好で来た。
今更だけど、男子と二人で花火大会なんて初めての経験で、妙にそわそわしてしまう。挙動不審な人だ。
「おーい!凛子!」
明るい声がして振り返ると、そこには陸くんがいた。
陸くんは軽く手を振り駆け寄ってくると、立ち止まって私のつま先から頭のてっぺんまでジロジロ見る。
「な、なに?」
「馬子にも衣装だな」
「え!なにそれっ」
「可愛いな。花火大会マジックだ」