告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
「あははっ……陸くん、すごい美味しそうに食べるね」
「いや、そりゃあ美味いものは美味そうに食うだろ」
「まぁ、そうだけど。小学生の頃もおやつそうやって食べてたよね」
「誰がガキの頃から変わってないって?」
「ごめんって」
陸くんが少しだけ頬を赤くして、私の肩を小突く。
こうやって陸くんと笑いながら会話する未来が来るなんて思ってもいなかった。
奏多くんと来れなかったことは残念だったけど、これはこれでいい思い出になったな。
「あ、凛子。もうすぐ花火上がるから、そろそろ移動するか」
「うん。そうだ────」
買ったものを食べ終え、視線を上げ立ち上がったその時だった。
「っ────」
私達の目の前を、浴衣姿の愛理先輩が通っていった。
しっかりと視線が合ってしまい、そらせなかった。愛理先輩は見たことのないような無表情で私を見つめ、隣にいる人間に腕を絡ませる。
そして、隣にいたのは────。
「おい、あれって……水瀬?」