告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
夕方5時、夏の日は長くてまだ空は暗くなる素振りを見せない。
私は家の最寄り駅前で、そわそわと人を待っていた。
すると、ちょうど電車が到着したらしく、サラリーマンやら夏休みの学生やらがどんどん駅から出てきた。
その人の波から、私はたった一人を見つけ手を上げる。
「奏多くん」
私が名前を呼ぶと、人混みの中、誰かを探すように周りを見渡していた奏多くんと視線が合った。
すると奏多くんは猫のような目を大きく見開き、嬉しそうに口角を上げながらこちらに歩いてくる。