告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜



「久しぶり。悪い待った?」
「ううん、全然」
「……すげー」
「え、どうしたの?」
「本物の凛子だ。うれしー」



 口元を手で覆い、嬉しそうにする奏多くんに私まで嬉しくなってしまう。

 今日の昼間、有菜ちゃんとファミレスにいるときにチャットがきて、突然今日会いたいと約束を取り付けられた。

 とても嬉しかった反面、愛理先輩とのこともあったから、素直に喜びきれない自分がいた。



「6時には家に送るから」
「うん」



 二人で横に並び、ゆっくりと歩き出す。久しぶりに電話ではなくちゃんと会って話すから、緊張して顔を見るのが恥ずかしい。奏多くんも同じなのか、少しだけ口数が少なかった。

 そして、駅の近くに人気の少ない小さな公園を見つけ、どちらともなく中に入る。

 ブランコに座る奏多くんを見て、同じように私もブランコに座った。

 すると、私が座ったのと同時に奏多くんが口を開いた。



「まさか、こんなに会えないと思ってなくて焦った」
「えっ……まぁ、確かにそうだね」
「毎日電話してもチャットで話してても、足りない」
「…………」
「めちゃくちゃ会いたかった」



 奏多くんは気持ちをストレートに伝えてくるから、こっちが恥ずかしくなる。ボボっと、赤くなる私の頬を見て、奏多くんは少しだけ満足そうに口角を上げる。

 会えなくても、愛理先輩のが近くにいても、奏多くんの気持ちは少しも揺らいでいないんだ。それが透けて見えるくらい、奏多くんの言葉はまっすぐだ。

 私は赤くなった顔を隠すように少し俯きながら口を開く。



「今日、突然大丈夫だったの?」
「うん。まぁ、平気」
「……そっか」
「……多分、俺が自分のこと過大評価してたのかも」



 ────過大評価?

 どういうことだろう。私がその言葉の意味が理解出来ずに黙ると、奏多くんは話を続ける。




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