告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
────元より本当は、愛理先輩が座るべき席だったんだ。
そこに私が座ろうとするから、本来あったバランスが崩れて不安定になった。
私は、自分のせいで奏多くんが間接的に影響を受けて、想いの狭間で苦しんでいるのに耐えられない。自分のせいで痩せ細っていくことに、どうしても耐えられない。
好きだから健康でいてほしい、好きだから苦しまないでほしい、好きだから幸せでいてほしい。笑っていて、お願い。
こんなに風に誰かに対して、想い願う日がくるなんて思っていなかった。
私の声は震えていた。奏多くんは目を大きく見開くと、私の肩を掴む。
「嘘吐くな」
「本当だよ」
「じゃあなんで目を合わせないんだよ」
「合わせたく、ないから」
「俺達、同じ気持ちだっただろ?」
思わず頷きたくなる自分を止める。そして、私の肩に乗った奏多くんの手をゆっくりと下ろす。
バランスを崩したらダメだ。私の存在は本来奏多くんの中になかったはずなんだから。
あの日、私がたまたま人助けなんかして、偶然が重なってしまっただけで、本当は奏多くんみたいな素敵な人が、私のことを好きになるなんてこと、あるわけないことだったんだから。