告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
勇気のチョコレート
この先の学校生活のことを思い、絶望してから一週間。私は無事に学校生活を送っている。
水瀬くんは誰にも面白おかしく私のことを言いふらすことはなく、身構えていたが拍子抜けした。
その日の4時間目、美術の授業が教師の急用で潰れ、視聴覚室でDVDを見るらしく、私と有菜ちゃんは窓際の長テーブルの席に隣り合って座っていた。私はポケットからチョコを取り出し、有菜ちゃんに差し出す。
「ありがとう小夏〜、体育疲れたから甘いものが効くわ〜」
「有菜ちゃん、バスケ頑張ってたもんね」
「元女バスだからね!血が騒いだ」
「私は全然スポーツ出来ないからなぁ、羨ましい」
「何言ってるの。小夏はそこが可愛いんだよ」
有菜ちゃんは机にベタっと突っ伏し、私はそれを下敷きで仰ぐ。5月といっても、もう気温もずいぶん暑い。
徐々に視聴覚室にはクラスメイトが揃って来て、私達の後ろの席は埋まった。そんな時、後ろから有菜ちゃんを呼ぶ声がした。