告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜



「んで、どうしたんだよ」
「別に、話すことねーよ」
「そんな暗い顔してる、話すことしかないだろ」
「人に話すことじゃない」
「じゃあお前、悩んだ時今までどうしてたの?」
「…………」



 高田の言葉に沈黙する。

 今まで、正直ここまで誰かへの想いで悩んだことはなかった。

 深入りせず、興味も持たず、平坦に生きてきたから。



「今まで悩んだことがない」
「は?!じゃあダメだ尚更話せよ!!」
「はぁ?なんで」
「誰かに聞いてもらうと、なんかスッとすんだよ」
「…………」
「なんか吹っ切れることもあるし。とりあえず話してみればいいじゃん」



 高田のことは、馬鹿だと思っていた。だけど、コイツは人のいい馬鹿だ。

 だから俺なんかに話し掛けて、周りの友達と話すきっかけをくれたり。

 一応、信用できる奴だ。

 俺はオレンジジュースの缶を開け、一気にごくごくと喉を潤す。そして、高田を見た。



「余計なことを言ったら殴って捨てる」
「物騒すぎだろ」



 俺はゆっくりと口を開いた。




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