告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
心の声を聞いて
もう、目で追うのをやめよう。そう思うのに、高田くんに引っ張られていく奏多くんを見つめてしまった。
バチッと合った視線を急いで逸らす。きっと不自然に思われた。
けど、こうやって徐々に他人になっていくしか忘れる方法はない。
放課後のホームルームの後、私は自分の席から立ち上がり、有菜ちゃんの席に向かう。
「凛子……平気?」
「うん、大丈夫だよ」
「……そっか」
有菜ちゃんには、夏休みのうちに電話で奏多くんとの関係を終わらせたことを話した。
その時も何度も大丈夫かと聞かれたけど、私は強がり大丈夫だとしか言わなかった。きっとそれもバレていただろうけど。
思った以上に、同じクラスに奏多くんがいるのは辛い。気持ちを変えるのは簡単じゃないと、改めて実感した。
有菜ちゃんが帰る準備を終え、立ち上がる。私達はそのまま二人で教室から出た。