告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
(愛理side)
「奏多、もう少し積極的に友達作ったほうがいいよ」
「なんで」
「今日だって遊びに誘われてたんでしょ?」
「別に問題も起こしてないし、学校でも話す奴いるから平気」
あれは私達が中学生の頃。
夕日の茜色に照らされた住宅街、学校の帰り道に奏多を見つけ駆け寄ると、めんどくさそうに私の提案は却下される。
私が中学3年の時、2年だった奏多はいつもどこか無気力でとにかくクールだった。
昔から何を考えているか分からないこともあったけど、成長しここ数年、余計に奏多が分からない。
────けど、
「危ない」
奏多が私の腕を引いたと同時に、猛スピードで車が私の横を通過する。
そう、奏多は心根が優しいのを私は知っている。だから、何を考えているか分からなくても、根本を知っているからなんとも思わない。
こんな奏多の理解者は私だけ。いつかきっと、私は奏多の彼女になる。
奏多が今、私のことを家族としてみてることは分かってるけど、時間を掛けてそれが変わっていけばいい。
別に、急ぐ必要はないんだ。
────この時はそう思ってた。
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