告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
────本当は、あの子に酷いことをしてるって分かってる。
焦ってたことは確かだけど、奏多が心からあの子のことを想っていたのも分かっているし、急いででも奏多の気持ちを掴みに行かなかった自業自得だってことも、分かっていた。
けど、おばあちゃんがいなくなるかも知れない。お父さんは出張ばかりでなかなか帰ってこないし、友達にだって弱い私は見せられない。
だけど、奏多だけは私の弱さに気付いてくれた。
一人家に引きこもる私に、手を差し伸べてくれた。
私には、やっぱり奏多しかいない。強くそう思った。
「誰にも分かるはずない」
結局あの後奏多に連絡がつかなくて、一人で家に帰ってきた。
最近は奏多と連絡がつかないだけで不安になる。あの子がいつ奏多を奪っていってしまか、いつも意識がピリピリしている。
カバンを投げ出し、一人きりのリビングでぽつりと呟くと、テーブルの上のスマホが震えた。
そこには奏多からのメッセージがあって、私は家から飛び出した。