告白予約。〜猫系男子は赤面少女に夢中〜
指定された家からも奏多の家からも近い、小さな公園。私が着く頃には奏多は先に来て、ベンチに座っていた。下を向き、スマホをじっと見つめている。
────なんだか、嫌な予感がする。
「奏多」
平常心を装い名前を呼ぶと、奏多が顔を上げる。
その表情は、これまでと違ってどこかすっきりしていた。最近はどこか迷っているような表情をしていたから。
それを知っていて、けどいつかそんな迷いは晴れてくれる。その時まで奏多は一緒にいてくれる、そう思ってた。
けど、なんだか違う。これは、多分。
「愛理、あのさ」
「な、何で今日連絡取れなかったの?」
「…………」
「私、奏多がいないと不安だって、連絡取れないと怖いって言ったじゃん」
────こんな言葉で奏多を縛りつけたくない。
けど、分かっているのに私が奏多に隣にいてもらう方法はこれしかない気がして。